2009年1月1日の朝日新聞記事より

 吉田秀和さん×丸谷才一さん の新春対談が載っていた。
 「希望は女性にあり」
 95歳の音楽評論家と83歳の作家の語る「希望」とは。

 これまでノーベル賞で、吉田さんが一番感銘を受けた話がムハマド・ユヌスさん(グラミン銀行を創始、2006年ノーベル平和賞を受賞)の話だったそう。
 この部分だけ、以下抜粋。

吉田:男が縮こまってきたのかな。自然は真空を好まないからね。確かね、06年だった。ノーベル平和賞をもらったバングラデシュの男の人で、ムハマド・ユヌスさんといったかな。いわば庶民のための銀行、グラミン(農村)銀行を作った。新聞で読んだ話ですが、ほとんど言うに足りない利子をもって、担保が無くても、原則として、希望した人には全部貸してあげている。そこでは借り手の9割以上が女性で、100%近く、完全な返済がされるという。
−男の人はダメだと?
吉田:この人は、そんなことはちっとも言わない。結果として話をしている。女の人は例えば、「新しい小さな仕事を始めるから」とか、病気だとか、原因はいろいろあるけれど、誰が聞いても分かる理由だ。男の方は、必ずしも透明でない、と。これまでノーベル賞で、一番感銘を受けのは、この話だな。女性一般がね、こういう件でもって、男性より頼りになるんだ、ということはね。とっても大事な事実という気がするんですよね。で、もう少しね、政治の世界なんかに、その大事な素質を投入してもらうべきだと思うね。