1 愛する人

 うー、すごい映画だった。きっと自分の今の気持ちにぐさぐさくる内容だからだろう。
 よくある話だと思ってみていた。夫との子どもができない妻、彼が欲しいのは、夫婦2人の子どもじゃない。彼(夫)と血のつながった子ども。彼女は何度も傷つけられる。何度も。
 主人公とこの女性はどこで関わるのだろうと思っていた。ああ、なるほど…。

 沢木耕太郎が映画を見て「寒色系のキルト」と書いていた。
 縦糸をつなぐのは、女性。母、祖母、娘、孫。横糸に男性。
 場内に聞こえる鼻をすする音、微妙になる場所がそれぞれ違う。
 いろんな感情が渦巻いて、未だに胸がざわざわする。
 目の前の13歳、思春期の娘の昔のアルバムを見直そうかな。
 2011年、1本目。いい映画だったな。
 「彼女を見ればわかること」のロドリゴ・ガルシア監督でしたわ。

(C) 2009, Mother and Child Productions, LLC